美夜*サイド


聞いてしまった。


聞こえてしまった。


君の………悠雅の切なそうな声で呟いた言葉。



『これだけは許して』


そう言って悠雅は、いつから握っていたのか
あたしの手の甲に触れるだけの一瞬の口づけをして……


いつの間にかベッドに寝ていたあたしを置いてどこかに行ってしまった。





扉が閉まる音と同時に

あたしの体は一気に熱さを増した。


これはきっと、風邪の熱が上がったとかじゃない。





ねぇ、ねぇ………悠雅?


あたしはあなたに

期待してもいいの?



あなたがあたしのことを好きになってくれたって……


もう一度、あたしのことをちゃんと見てくれたって……


思ってもいいの??