気づいた。


やっと、俺がなんで美夜の目の前で女の子といちゃついてヤキモチやかせたかったのか


なんで、美夜と他の男が一緒にいるのが嫌だったのか


なんで、美夜と話しててあんなにも幸せだったのか


なんで、こんなにも美夜にキスしたいのか………


やっと、わかった。
やっと、気がついた。










俺は……………美夜のことが好きなんだ。


心から愛おしいと思うほどに………。







もちろん、まだ過去のことは思い出してない。


なんで美夜を好きになったのかとか
いつから美夜のことを知っているのかとか


そんなの全く思い出せないけど


でもこの気持ちに嘘、偽りはない。




心が苦しくなるほど美夜が好き。大好き。



俺は握っている美夜の手を優しくなでる。




「これだけは………許して…」



俺はそう呟くと
美夜の手の甲に触れるだけのキスをする。



俺は自分の気持ちに気づいてしまった。

これからは、いつもみたいに美夜に近づけないかも知れないな……。


そんなことを考えて俺は心の中で少し笑う。


そして握っていた美夜の手を一瞬だけ強く握ってすぐに離す。


美夜が起きないようにベッドの上に優しく美夜の手を置いて………


俺は保健室から出て行った。