海哉が触れた。


そう考えるだけで胸が痛む。息が苦しい。


美夜…………

美夜、美夜…………。


俺は自分の手を美夜の額から頬へと優しく滑るように触れる。



「美夜は………俺の彼女じゃなかったの?」


不意に俺の口から出た言葉。


本当は………俺の彼女じゃなくて、
海哉の彼女だったの?


それとも俺が美夜のことを忘れちゃったから
優しい海哉にのりかえたとか?



だって、海哉とキスしたことあるんだよね?

それって、付き合ってるってことじゃないの?



美夜……美夜、目を覚まして教えてよ。


その可愛い唇でこたえてよ。



そう何度も心の中で問いかけても
もちろん美夜は何も言ってくれない。


俺は美夜の頬から手を離し
布団から出ていた美夜の小さな手を持ち上げて優しく包み込む。



俺と美夜が付き合ってたんじゃなくて

美夜は海哉と付き合ってたんだ。




なんでだろうな、

なんで俺は今になって自分の気持ちに気づくかな?