海哉の質問になかなかこたえなかった俺。
俺は自分が思っているよりもだいぶ、海哉が美夜を呼び捨てたのに驚いているみたい。
ただ呆然と美夜を眺めている海哉をジッと見ていた。
すると、海哉がいきなり真剣な顔で俺の方を見る。
「どうした?」
そう海哉が俺に訪ねてくる。
どうも黙っている俺に疑問をもったらしい。
俺は海哉のその言葉に身体をビクッと動かして
さっきまでのどの奥に詰まっていた
自分が思っていた不安を海哉に訪ねる。
「お、まえ……っさ。美夜と……仲良かったか?」
俺の声は自然と震えて、途切れ途切れに海哉にたずねる。
そしていつの間にか俺は海哉から目線を外していた。
何、俺、海哉から視線そらしてんだよ。
こんなんじゃ俺が海哉にビビってるみたいじゃん。
そう心の中で思っても
俺は何故か海哉に視線を戻すことは出来なかった。

