「冷たい床で寝ていた効果で熱が下がった気がする」
あたしは熱が下がった気がしたので学校に行く支度を始めた。
――――…学校。
「あ、あんた、なんでいんの!?」
教室に入るなり、てるちゃんが驚いた表情であたしに話しかけてきた。
なんでってそりゃ…
「熱下がったし、暇だからさぁ」
アハハと言いながら笑って見せると、はぁっと大きなため息をつかれた。
そのため息はてるちゃんが吐いたものではなくて、あたしの後ろから聞こえてきた。
あたしは後ろを見たくなかった。
なぜなら、嫌な予感がしたから。
てるちゃんはあたしの後ろに目線を向け、目をハートにしている。
てるちゃんの目をハートにさせる人物なんてあたしの今知る中で一人しかいない。
ビクビクしながら後ろを振り返らないでいると、右肩をガシッと掴まれた。
「なーんーで、いるんですかねぇ??」

