理子は泣きそうな愛生に気付かず、


「ホント?じゃあ、これにしようかなぁ。愛生ちゃん、ありがとう」


と優しく笑う。



愛生は理子と別れて図書室を出た。


そのまま、愛生は家路についた。


歩いている途中で我慢していた涙が溢れた。


せき止められないぐらい、溢れた。



街の人の目が気になる。



だけど、『妹みたい』という言葉が思ったより深々と胸に刺さっていて、止めることが出来なかった。