gently〜時間をおいかけて〜

気になった店に入って商品を覗いたりとか、そんな感じだ。

しばらく歩いていたら、航が足を止めた。

「航?」

つられてあたしも止めると、航の視線の先を見た。

プリクラだった。

「あんなのあるんだ」

航が呟くように言った。

あるんだって言うことは、たぶん航の時代にはもう存在しなくなってるのかも知れない。

今は当たり前みたいな感じで存在しているプリクラだけど、この先の時代にはもうないんだ。

「行ってみる?」

あたしが言うと、航は驚いたように視線をあたしに向けた。

「プリクラって言うんだけど。

まあ要は、らくがきができる写真シールってとこ」