gently〜時間をおいかけて〜

人ごみの中で歩いた末に、ようやく食べる店を見つけた。

イタリアンのレストランみたいだけど、行列は特になかった。

あたしたちはそこで昼食をとることにした。

テーブルに座ると、あたしたちはふうっと息を吐いた。

「キツかった〜」

大げさなくらいに椅子にのけぞって言うと、
「莢、おじさんみたい」

航がクスクスと笑った。

「だって、本当にそうだったもん」

メニューを広げながらクスクスと笑う航に、あたしもメニューを覗き込んだ。

頼むものを決めるとウエイターを呼び、2人で話しあって決めたものを注文した。