gently〜時間をおいかけて〜

――はっ…?

今度は、声も出なかった。

あたしがつきあってるって、三島くんと?

「――えっと、よくわからないです…」

そう言ったあたしに、
「でも親しかったのは…」

風見さんが言いにくそうに言ってきた。

「親しいことは、親しいって言うか…」

言い返してみたけれど、弱々しかった。

何だか風見さんと話が噛みあわない。

そもそも風見さんは何が言いたくて、あたしを呼んだのだろうか?

「前に三島さんの学校を訪ねに行ったことがあったんです。

彼がバイト先にマフラーを忘れちゃって、わたしがそれを届けに学校へ訪ねて行ったんです。

それで、たまたま彼とあなたが一緒にいるところを偶然見ちゃったんです」

突然の話の切り替えに対し、あたしは特に何も動じなかった。