gently〜時間をおいかけて〜

三島くんと風見さんがつきあってる…?

そんなことは、彼の口から1度も聞いたことがなかった。

「わたし、三島さんとおつきあいをしているんです」

もう1度、彼女が言った。

「――ああ、そう…」

あたしの口からは、それくらいしか返事が出てこなかった。

「あの、驚かないんですか?」

あたしの反応を変に思ったのか、彼女が不思議そうに聞いてきた。

「驚いたと言えば、驚きましたけど…。

三島くんから、そんなことを聞いたことがなかったから」

そう言ったあたしに、
「三島さんと、おつきあいをされているんじゃないですか?」

逆に、風見さんに聞き返された。