gently〜時間をおいかけて〜

「明日、お会いしていただけませんか?

その時に、全部お話します」

電話越しだけど、何となく威圧感を肌に感じた。

「――はい…」

その威圧感に負けたせいで、あたしは首を縦に振ってうなずいて返事をしていた。


その翌日。

今日1日の講義を終えると、あたしは学校近くの喫茶店に向かった。

風見さんから指定された待ち合わせ場所である。

ここにくるのは、ずいぶんと久しぶりのように思えた。

少し前まではあんなに入り浸りになるくらいにきてたのに。

最後にここにきたのは、いつだったっけな。