ありがとう

ついに日曜日!
お母さんには嘘をついて、美咲の家に泊まると言った。
じゃないと、許してくれる訳がない。
今日は家に帰る訳にもいかないから、適当にネットカフェで過ごそうかな。
あ~、6時に早くなんないかな。
集合場所は、家からいちばん近くの駅から電車で10分ほどで着く。
家は5時半くらいに出る予定だ。
今はまだお昼。
約束の時間まではたっぷり時間がある。
お昼も食べたし一眠りしようかな。
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「・・・ん~。よく寝た」
って今何時?!
4時かっ。
よかったぁ。
寝過ごしたかと思ったし。
まだ時間あるしシャワーでも浴びようかな。
シャンプーの香がいい感じにするっ。
あえて香水などはつけないようにしよう。
嫌いな香りだと嫌だし。
おっ、そろそろ出ようかな。
意外と電車もすいていて、思ったより早く着いた。
集合場所には、まだ来ていないようだ。
早かったかな。
それにしても、どんな人なにかなぁ~。
ドキドキする!
「あの、楓ちゃん!?」
「えっ・・、あっ、そうです!!」
びっくりしたぁ。
しかもいきなり、ちゃん付けで余計にびっくりした。
サイトで出会った35歳の男は、まあまあいい感じのルックスで、爽やかで優しそうな感じだった。
「それにしても写真より全然可愛くて驚いたよ」
「えっ。ありがとうございます」
何か、照れてしまう。
「レストラン予約してるから行こう」
「あっ、はい」
そして、予約しているというレストランへ向かった。
そこは、見るからに高級そうで驚いた。
お金払えるかなぁ。
「お待ちしておりました。堺様」
堺様!?
堺っていうんだぁ~。
そういえば、名前聞いていなかった。
「こちらへどうぞ」
お店の人に連れられ、席に着いた。
すごく緊張する。
こんなすごいところめったにこないし。
「何食べる~?」
「えっ、あぁ・・・」
見慣れてないメニューで迷うあたし。
「迷ってる?じゃあ僕のおすすめでもいい?!」
「はいっ」
すごく助かります!
あたし、優しくしてもらって、何かテンションがあがってるよ。
しかも、この人すごくいい人だし。