思わずどもってしまったけど、しっかり笑顔でそう答えた。
鈴谷くんは笑って、黒板のほうを向いた。

それから帰るまで、鈴谷くんは何度かあたしに話しかけてくれた。
そのたびに緊張して、うまく答えられなかったけど、鈴谷くんはにっこり笑ってくれた。





――恋の前兆は数多くある。
その中で運命の出会いはたった一度。

甘い甘い恋と、酸っぱい恋が入り混じった苺のような恋。

それを運命の恋というのだろう。