「あ、戻ってきた。」

菜摘実さんが山村せんせと話を
しおえて戻ってきた。

「…詩乃さん、」

「ん?」

お兄ちゃんは菜摘実さんを
みつめながら微笑む。

「本当に…ごめんなさい。」

そういってお兄ちゃんに頭をさげる
菜摘実さん。

「菜摘実さん…、。頭をあげて?
それに…僕はごめんなさい。よりも
ありがとう。がききたいな…。」

お兄ちゃんの声には何処か人を
安心させるエッセンスが
入っている気がする。。。

「詩乃さん…、ありがとう…。」

「もぅ、大丈夫。柚子が…
今の状況をかえてくれるよ。」

お兄ちゃんにそうほほえまれても
ひとつ、きになることがあって。

「菜摘実さん…菜摘実さんはどうして、
山村せんせと結婚──できなかった、
んですか??」

お兄ちゃんも菜摘実さんも
顔を強ばらせた、、。

「…人には言えない過去とか
あるもんだろ?それを、きくな。」

そういってまた、資料の端で麗人に
頭を叩かれる。

「だって…、。」

「一言で終わらせるなら母親のせい、ね。」



また…母親?