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「洋平さん。」

「…誰だ?」

くるっと向きをかえる、山村洋平。

「…お久しぶりです。」

「元気そうで。」

'よかった'という言葉は続かなかった。

「私…、結婚する。」

「…君が婚約したってきいた後、
アノコがきてさ…。」

山村洋平は柚子を指さす。

「'似てる'って直感した。」

「誰に?」

「あんた。」


──────心地よい沈黙…。


「アノコに兄がいたら…兄はアノコ
みたいな…人を選ぶなって思ったから。
君かな…って。」

「それだけじゃわかんないでしょ。
私とアノコの兄が結婚するとかは。」

「アノコのじいちゃんがさ、幸太って
いったからさ…そうかな、と。」

「あぁ、おせっかい爺。」

「そう、おせっかい爺、。」

二人で笑いあう。

「きっと大丈夫。うまくいくよ。
ほしょうする。」

「ほんと?」

「幸せになれるよ、きっと。」

「ありがとう。」





あの、爺ちゃんは…今、どこに
いるのかな…。

おせっかい爺。


【困ったら爺に言えよ。】

風のようにきて私と山村洋平の
お付き合いを母親に説得した後、
どっかにいった爺さん。



爺さん、今、困ってるの。

どうやって伝えればいいのよ。



苦笑しながら

「私、幸せになるわ。」

と山村洋平に言い放った。


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