くぃっと顎を持ち上げられる。

『随分物欲しげな眼だな....。』

『ち、違っ。』

『何が違う?まぁ何にも
 言わせないようにするけど。』



聖が強引に私の唇を奪う。


聖が私の服に手をかける。


『ゃだ、いや....。』


『どうだか。』


ボタンのはずれる音が
次に規則よく聞こえるハズ
だったけれどどす黒い声が
その場を切り裂く。


『襲ってヤるなら
 キッチンなんかでやるな。
 まぁ、同意か。』


あきれたような、そんな
気持ちも微妙に含む声。


壁によりかかっている麗人、
+アルファで晃人も。



『若いっていいねぇ。』

『お前は親父か。』

『はぃはぃ、親父ですよ。
 親父は退散しますよ♪』

『さっさとしろよ。
 冷めたハンバーグは不味い。』

そういって麗人も晃人も
闇に消えていった。



『行くか。』


『ん....。』



月明かりが照らすキッチンで。


廊下に微かな月明かりが
漏れるくらいの。


月明かり下のシークレットの
唇と唇が重なった。