『聖、話があるんだ。』

そう麗人がいった、けど
聖はケーキを食べていた。


『なんだ…??』


『いや、ちょっと、な。』


『もしかして、
 あの男のことか?!
 麗人、お前。
 殴られたんだな………!?
 お前も柚子もあの男と
 何があって………!?』

『聖、黙れ。
 普通、人には触れられたく
 ない話題や出来事も
 あるだろ………?』

麗人から感じる冷たいオーラ、
そして眼...。

『悪かった。』

しゅんとした聖...。

『いや、さっきの言い方は
 ちょっとアレだったな...。
 許せ。それで例の男
 なんだが...。


 ────俺の兄貴だ。』




一瞬、
その場の空気が止まった。


息をするのが
苦しくなった。


喉の奥を何かが
つっかかっている変な感じ。



『そして...。』

麗人は私をみた。

私は【うん】と言う変わりに
頷いた………。。