教室バロック





家に着く
リビングからテレビの音

母親の気配はない




「 タカコ 」

そう声をかけると、
ソファーの上から顔を出して
何事かと首を傾げている


「 オマエ なんか食った? 」

タカコはぶんぶんと、頭を横に振った



「 これ、なあに? 」


テーブルの上に置いたのは
駅前でもらったクーポン券で買った
モズバーガーのセット


「 お子様セットだってよ
モズタロウの人形ついてる 」


「 …ありがとう!! 」



タカコは最近よく食う

クリスマスの夜は、
家族が揃うまで夕飯は我慢だから
その時間まで持たすのに
ちょうどいい量だと思った



「 あのね!今日学校で
クリスマス会したんだ!
お菓子もらったから、持ってくるね! 」


「 おう 」




オレも階段を昇った


向かったのは親父の書斎

要らないコピー済み用紙を
切って作ったメモに、少し言葉を添えて
タカコのプレゼントを机に置く






リビングに戻ると


こちらに背を向け、
テーブルの上にしゃがみ込む、母親の姿



「 かあさ 」