教室バロック






「 さっみー 」


「 積もるかなあ 」



校庭には、薄く敷かれた雪の上に
校門へ向かう、いくつもの足跡




「 また三学期ね〜! 」


それに答える、女子連中の声

門の両脇には
花さんと、体育教師の柏が立ち
帰りの挨拶をしていた


「 あれ… 花さん
今日 帽子かぶってないや 」


那智はそのまま
赤いコートを着た、花さんの傍へと走る



―― 花さんは相変わらず
ニコニコと挨拶を送り
三年の女子に抱き着かれ
抱き返しながら、
妙なオマジナイをかけている



門まで辿り着くと
「 風邪ひかないようにね!
また 三学期! 」と
オレ達にも声を掛けてくれた



「 またね! 花さん 」


「 花さんも風邪ひくなよ〜! 」


「 大丈夫だよ〜 ロボだから 」

何だそれ〜 と皆に笑われながら
ちらっとオレの方を見て
笑いながら自分の頬を、トントンと叩く


オレもポケットに手を突っ込んだまま
下を向いて、少し笑った