教室バロック










終業式は、朝から雪


『 ホワイトクリスマスイヴだねー!』と

寒い体育館から
暖房の入った教室に戻って来て
ガヤガヤ皆、騒がしい



担任はまだ来ていなくて

通知表は確かに渡されるけど
一部の特待生以外、あまり、緊迫感はナシ



「 空哉 」


ボソリとした、
だけどなんだか浮いた声で
後ろの席の、橘に肩を叩かれる


「 お? 」


目線を外されながら
下からコッソリ、手の中に渡されたもの


「 …使う?
なんか、薄くていいらしい 」


「 げ 」


「 あるからいいよ 」と
再び握り返すと

「 … うあああ 緊張する! 」と
橘は机に、思い切り突っ伏した


「 何だよ!
…桜井とまだやってなかったのか 」


「 …だってあいつ、
クリスマスが良いって言うからさ…

いいよなぁ… 空哉は馴れてそうで… 」


げらげら笑いながら、橘の肩を叩いた


「 がんばれ。
…AV鵜呑みにすんなよな 」


「 …っえっ!! 駄目か?! 」


「 ぅあ 
―― ダメに決まってるじゃんか! 」


「 ちょっ… ど、」




机から窓際に
体を思い切り曲げながら
男二人でコソコソ話


いつの間にか周りは群れになっていて
低い声でボソボソ、
『 聖なる夜の講習会 』が繰り広げられた