教室バロック






「 お買い物?! 」


「 …うん  花さんは? 」


「 年賀状が足りなくなっちゃって
ポストカード買いに来たんだ〜 」


「 なにそれ…
もしかして、手書きで出してんの?! 」


「 もっちろん!
かわいい生徒達のために
張り切るわよ〜?
イラストまで描いてるんだから!

わっ このピンクのお花シール
可愛くない? 」



「 …あのさ、花さん

何で女って、ピンク好きなの? 」


「 う〜ん…
かわいいからじゃない?! 」


「 先生なんだから、
もっと理屈で押そうぜ?花さん 」


「 理屈か…!! 理屈… 」



花さんは考え込んでしまい
腕を組み、
とうとうウンウン、唸り始めてしまった



――― 年は、いくつって言ってたっけ


少子化や、教師の犯罪が増え
VOICEが流行ってた頃に比べたら
だいぶ教員試験はキビシくなったって聞く


周りの先生に比べれば
オレ達と年が近い分

先生として不慣れな所はたくさんあるけど
一緒になって、考え込んでくれる




「 …花さん 」



「 ん?! どしたの?! 」




「 ――――  オレ、

花さんの事、好きなのかな 」





そのセリフに、花さんは動きを止め
目をまん丸くさせた

オレが顔を見たまま動かないから
花さんの方から、
小さな咳をして、動いた




「 …多分、 違うとおもうよ 空哉くん 」



少しぽっこりとしたお腹の上で
両手を揃えて、キチンと微笑んだ顔は

なんだかやっぱり、『 先生 』だった