あっけらかんと
『 ○○とキスしちゃった〜! 』
まるで何か、公園にでも行って、
新しい遊具で遊んで来た子供の様に
平気で『 なんとも思わなかった
やっぱり空哉が一番好き 』と
無邪気に手を繋いで来る行動が、
オレには絶対、信じられなかった
幼稚舎から持ち上がりで
小、中
クラスが変わっても、
周りは見慣れたいつもの顔
高校になってからは
かなり偏差値の高い
ウチの高等部に合格した奴らは
運動能力に長けていたり、頭もいい
だから、ミツコの目が
興味に色めき立ったのも
何も言わなかったけど、わかってた
――― ピアス開けはあの時期
クラスの女子の間で、一斉に流行って
『 プレゼントで貰った 』と
突然穴を開け
白く小さな真珠を、耳に着けて来た時も
…それが男だと聞いた時も
そんな流れの中で生じた事だし
嫉妬するのも大人げないから
それも笑って、
『 よかったじゃん 』と頭を撫でた
ミツコは元々、
派手とか、目立つタイプじゃない
付き合っていた時には
『 空哉のがキレイだからムカつく 』とか
おかしな事も言ってた
だけど行動や、清純系の見た目
甘えた感じの口調が可愛くて
周りの男連中にも人気があった
だけどいつも楽しそうに、
オレの横で笑っていて
―― オレは本当に、大切に思ってたんだ
でも
もう終わった事
あんな場面をみて、心配ではあったから
靴も急いで買って来たし
駅まで送ろうとも思う
けれど
昔、ミツコに感じていた、優しい想いも
オレから笑いながら、
別れを切り出した時の様な
キスの相手と、
コイツがすぐに付き合い始め
廊下で二人の姿を見かけた時に感じた
心をねじまげる辛さは
今はもう、ヒトカケラもない ―――


