教室バロック









―― おかしな事に、気が付いた








「 … ルウ、それウィッグか? 」


夏、出会った時より少し伸びて
長くウェーブした、腰まである髪

相変わらずのラムネ色の瞳が
キョトンとした顔で、小首を傾げる




「 ウィッグって、カツラ? 」



「 …おう

だってオマエ、こないだ駅で
ミツコの居場所教えてくれた時

髪、ものすげえ短かったろう 」



「  ?  」





「 …覚えてねえか?
秋に東京駅まで、来てくれたろ?
なんか…パンクっぽいカッコして

碧い目、してたし――― 」





ルウはぶんぶんと首を横に振る


「 秋は、" 黄昏れのお嬢様 "が
コンセプトだったから 」







「 … そか 」



確かに あの"ルウ"は
この"ルウ"より、少し大きかった

でも



――― 見間違えるワケがない









「 きっと それね、ネコか、ヒメだよ 」





ルウは碧い目をオレに一度、
それから地面に向けて
一度しゃがみながら
コンビニの袋をガサゴソと拡げ


ちょっと高級そうなネコ缶のフタを
かなり力んで開けた







「 ―― ありがとう ルウ 」







もし、オマエがいなかったら ―――