教室バロック





その数日はなぜか

政治家の汚職が発覚したとか
何百人も襲ってた強盗が逮捕されたとか

近所で評判の優等生がとか


デカイ報道がたくさんあった



『 清廉潔白な 』

『 あんな子煩悩なお父さんが 』

『 挨拶も、よくしてくれて 』







ワイドショーでよく見る、
コメンテーターだか医学者だかが言ってた



――― 今 人の心は
痛ましい程病んでいて


望まずとも毎日
パーティーを繰り広げている様な
そんな時代に育った子供達が大人になり
あの頃を求めて混迷交錯する


それを見て育った子供たちは
その価値観を植え付けられたまま
採り尽くして何もなくなった
現実の荒野に立つ




絶望したやさしい子供は
小さな楽園に引きこもり
奪え奪えと叫ぶ声から逃げた




一方では
恐怖感を実際に味わう事のない
平和な環境で育った子供たちは
擬似の刺激を欲し、欲が愛だと誤解した



欲→欲しい→好き→得たい

得る事が出来なかった→辛い→悲しい



そんな回路で動き、
喪失感に酔い、涙すると








黒いスーツを取りに行くため
久しぶりに帰った、
誰もいない真っ暗な実家の自室




テレビに何か投げたら

雨音のようなノイズを鳴らし、
割れてしまった





そんな事 知っていたハズなのに