最後にMr.スミスは、自分が前に立ち
得意の漫才でもするのかと思っていたら
自分の故郷の話をし始める
―― 中学までは、学校は危険だからと
家で家族に勉強を教えてもらい
月に一回
遠くの学校まで、バスで行く
ホームスクール
そう呼ばれるシステムをとっていた
少し特別に聞こえる感じだが
自分の国では
そんなに珍しい事ではなくて ――
コドモが独りで電車に乗り
先生が門に立っているだけ
そんな中で、
元気に勉強出来る日本の学校は
とても平和で、やさしくて
奇跡的な事なんだよ と、笑った
家の前には山と
裏には、かなり大きな湖
ほとんど人が来ない、その水の色は
何処までも澄んだ、碧をしていて
元は森だった、その底には
白樺の木がそのままの形で 沈んでいる
魚が泳ぎ
週末にはパパと一緒に釣りをして
楽しい時間を過ごした
今度は自分がパパになって
そんな時間を過ごしたいと
最後に
『カノジョ募集中です
オネエサンいたら紹介シテネ』と
クラスの皆を笑わせ
――― いつか
みなさんも家に来てね と
先生の、最後の授業は終わった


