教室バロック





その間

ずっとミツコを抑え続けていた
手足は麻痺していて


途中からやって来た何人かが
『抜けた後』の事を話しながら

幾つか薄い
斜線が残るミツコの腕に、点滴を注した


ふと目を、布団の端にやると
赤ん坊のオレがプリントされた
オムツの袋









カーテンが開け放たれ

窓の外には、青く晴れた空


激しい臭気の篭った部屋の空気が
夏と排気ガスの空気と入れ換えられる