《実話》道〜私がつけた足跡〜

「………帰ろう?」

玲ちゃんは夢咲の顔を伺いながら、優しくそう言うと立ち上がり、夢咲の顔の前に手を差し出した。

ゆっくりと手を伸ばし、震えるその手に掴まり、夢咲と玲ちゃんは手を繋いで『家』に向かって足を動かしていく。



だけど、『家』の前まできたら、さっきの恐怖が頭を過り、足が動かない。

足が震えて…

さっきの恐怖が脳裏に浮かんできて…

痛くて…怖くて…

先生さえも怖くて…

潤君だけじゃなく、もしかしたら他の人達にも…

頭と心をいっぺんに占めるのは恐怖だけ…

立ちすくんでいた夢咲に玲ちゃんが優しく声をかけてきた。

「大丈夫!!」

天使のように優しい笑顔で、繋がれた手をキュッと力を入れる玲ちゃん。

その力からは優しさと暖かさと勇気が、夢咲の中にどんどんと流れていく。