《実話》道〜私がつけた足跡〜

そこにはあるはずの夢咲の靴………がない。

パパが入学祝いにと、買ってくれた真っ黒な靴。

両側にある下駄箱を隈無く見るも、見当たらない。

潤君が言い残した言葉が夢咲の頭を掠める。

ここでようやく潤君の言葉の意味を理解した。

重い鉄の固まりは、今の夢咲にとって開けるのが困難な程に、分厚い壁となって立ちはだかる。

衝撃が走る中、全身で扉を押し、キィーっとなると同時に夢中で外に駆け出した。

グラウンドによく目を凝らして見ると、光沢が太陽の光を受けて輝いていた。

「くつ…パパのくつ…」

動かせば痛い足。

動かすと走る衝撃。

動かすと流れる電気。