薄暗く、太陽の光も感じられない長い、長い廊下の片隅に、夢咲は膝を抱えしゃがみ込んでいる。

口に空気を含み、膨れっ面で、瞳には溢れんばかりの雫…

『…なんで泣いてるん?』

大人になった夢咲が、幼い夢咲に問い掛ける。

答えなんて返ってくるわけがない。

いつも、いつも瞳いっぱいに雫を溜めては、それを零している夢咲。

誰も味方がいなくて、みんなが敵だった。

誰も信用出来なくて、心が壊れそうだった…

小さい夢咲はいつも孤独と戦っていた。

いつも不安と戦っていた…