夢咲を生んで一年後、ママは永遠の眠りに就いた。

だから夢咲にはママの記憶は全くない。

それはそれで良かった…

ただ、暗闇の中で聞こえる『お母さん』や『ママ』と言った声。

その言葉は何を示すのか…

どんな意味を持っているのか…

夢咲にはわからなかった。

暗闇で求め続けたものは『パパ』だけ…

布団を頭から被り、心の中で求め、叫び続けた。

どんなに求めても届く事はない。

わかっている…

わかっているけど、夜になり部屋が真っ暗になると、どうしても淋しくなる。

悲しくなる…

一人だと…孤独を感じる。

だから求めてしまう。