さよなら。愛しき人


「話しても、言葉は返ってこない。動くことも出来なけければ、遊ぶことさえ出来ない。」




そう言うと、ゆうりは立ち上がり、近くの木の幹に手を置く。



「でも、ひとつだけ…森と話せる方法がある。 …ちょっと、来て。」



手招きされたので、行ってみる。



「耳済まして。水の音が聞こえる。」



……かすかに、水の流れる音が聞こえる。



「これは…?」



「森の命。」



「森の命…?」



「…森にも命がある。それは、また他にもあるだろうけど。」



わたしも…ゆうりと一緒に森にいたい。