さよなら。愛しき人



「ごめんね…。いきなり来て泣いたりして…」



「うぅん、大丈夫! 恵理香の方が心配だよ。どうしたの?」



目の前に広がる草原は、森が作り出した綺麗な緑。


森もちゃんと生きている。



「…森っていいね…。 何年も…何十年も…何十年も…この場所を離れることなく、人に愛されて生きていく。 わたしには出来ないことだから…うらやましい。」





「…………それは、僕も思う。」



意外な答えにびっくりする。


ゆうりは、森に住んでいるから、<そうでもないよ>っていう答えが返ってくると思ったのに。



「森は……本当に長生きするからね。恵理香が言った以上に生きるよ。何千億年以上生きる。」



そうなんだ。


本当にうらやましい。