さよなら。愛しき人


「恵理香!」


自分の名前を呼ばれて、気づくのにも時間がかかった。


本当に寒い…。


「恵理香…?」


誰かがわたしの名前を呼んでいる。


ボーっとして、振り向くと龍星がびっくりした表情で立っていた。


それにわたしもビックリする。


「りゅっ、龍星!!」


「なんだよ、お前。1時間遅れとは、いい度胸じゃねーか。」


マフラーに顔を埋める龍星。


結構待ったからか、耳と鼻の先が赤かった。