わたしがレモンティーを飲むと、じっと見つめられる。
レモンティーの味が気になるんだろうとはわかってるけど、何故だか恥ずかしい。
「おいしい…。」
とっさに出た言葉。
それが嬉しかったのか、男の子はイタズラに成功した無邪気な子どものように笑った。
「言ったでしょ?自信作なんだから!でも、そう言ってくれると嬉しい。」
加速する鼓動。
自分でも、顔が赤いことに気づく。
「君、名前は?」
名前を求められ、少し男の子をみて名乗った。
「恵理香…。加藤恵理香。」
「僕は、ゆうり…。 よろしく?」
苗字を名乗らなかったのが少し引っかかったけれど、わたしはおかしく思うだけで軽く流した。
これがわたし達の出逢い。
ゆうりを助け出す為、出逢って…。
この時から、あなたはクライマックス闇に包まれていたんだね…。
神様は意地悪だ。
何故、ゆうりだけに明かりの見えない未来を送るのですか…?
