放課後姫とヤンチャな騎士

「「は?」」


二人の声が重なる。


全く同じ顔の女生徒。


一人は苛々とした空気が全身から出ているし、一人はオドオドと謙虚そうな子。


「…あいつ何も言ってなかったのかよ…」


今にも舌打ちしそうな顔で、呟いた。


「あいつって私の事ですか?」


背後から声がして剛志が振り返ると、眼鏡姿の乃里子が申し訳なさそうな顔で現れた。


「乃里子…」


てっきり『放課後姫』として現れると思っていた剛志は、乃里子の姿を見て目を丸めた。


「あんたもそうだけど『放課後姫』の事だよ!」


気の強そうな方が、苛々と言った。


「私が何か?」