放課後姫とヤンチャな騎士

「それにしても考えが甘いわよね…
剛志目当ての子に嫌がらせされてるのに、剛志が動いたらダメじゃない。」


乃里子が呆れたように笑った。


「…確かに。」


剛志も苦笑いを浮かべた。


「とりあえず行ってくるから。
留守番よろしくね。」


最後の身なりを整えると、乃里子は部室を出て行った。


バタバタ…


廊下を走る足音が聞こえ、剛志は扉を開けて廊下を覗いた。


誰もいなかったが、微かに甘い香水の匂いがした。


剛志は疑問に思いながら、もう一度辺りを見回した。


「…気のせいか…」


剛志は静かに扉を閉めた。



…−−−−−…