コンコン


「どうぞ。」


扉が開き、楓が顔を出した。


「いらっしゃい、楓ちゃん♪」


乃里子が微笑むと、楓も優しく微笑んだ。


「お邪魔します。」


乃里子は剛志を移動させると楓をソファーに案内し、お茶の用意を始めた。


「今新聞が出来たところだったんだ。」


剛志はそう言うと、新聞を楓に渡した。


「ありがとうございます。」


楓は嬉しそうに新聞を読みはじめた。


三人分のお茶をテーブルに置くと、乃里子もソファーに座った。


「…さすが乃里子さんです。
とても素敵な新聞ですね♪」


「そんなことないわ。
楓ちゃんが、書いていいって言ってくれたから新聞が出来たんだもの♪」


乃里子が微笑むと、楓は恥ずかしそうに目を細めた。