「明日、神谷さんが搬入口に現れたら告白するのよ。
そうすれば、全てが幸せに包まれるから…
出来る?」


乃里子が言うと、楓はコクリと頷いた。


そのまま楓は深く頭を下げると、静かに校舎に戻って行った。


「…剛志、神谷さんの方よろしくね。」


「了解。」


壁の陰に隠れて聞いていた剛志は、乃里子に返事をすると校舎に戻った。


乃里子は携帯を取り出すと、屋上の柵にもたれた。


何回かコールした後で、強張った声が聞こえてきた。




翌日、楓は乃里子に言われた通り搬入口にいた。


時間的にはそろそろ神谷が現れる頃だ。


ブーブー


乃里子の携帯が小さく震えた。