放課後姫とヤンチャな騎士

入部して間もなく、剛志は梓が経営するカフェを乃里子に紹介することになった。


乃里子は、梓の店も調べ上げていたのだ。


『素敵なカフェね♪
すごく好きよ。』


初めてカフェを訪れた日、乃里子は楽しそうにそう言っていた。


以来、待ち合わせ場所や秘密の会合場所として利用している。


「はい、コーヒーどうぞ♪」


梓も乃里子が気に入っている様で、乃里子が店に来た翌日には専用のカップを用意していた。


乃里子にはピンクの可愛いカップ、剛志にはブラウンの重厚感たっぷりのカップ。


「で、話って?」


乃里子がコーヒーを飲むのを待ってから、剛志が尋ねた。


梓は知らない間にカウンターから姿を消していた。


梓なりの気の使い方だろう。


乃里子はカップを置くと、優しく微笑んだ。



…−−−−−…