放課後姫とヤンチャな騎士

剛志が平井カンパニーの裏手に着くと、腕組みをした乃里子が立っていた。


「遅い!」


乃里子はミントグリーンのシフォンワンピースに、ライトベージュのボレロ風ジャケット、少し高めのヒールといったお嬢様風の装い。


片や剛志は、着古したパーカーに、同じく着古したデニムといったラフな装い。


どんな組み合わせだ、と疑われても仕方ない。


「これでも早く来たんだぞ!?」


文句と同時に、剛志の口からため息が漏れた。


「まぁいいわ…
ヘルメットは?」


乃里子は笑顔で手を突き出した。


「あるけど…
その格好で乗る気かよ?」


「当たり前でしょ?
早く貸して。」


剛志が渋々ヘルメットを差し出すと、乃里子は素早くヘルメットを被り荷台にまたがった。


剛志は再びため息をついた。