陽太の無邪気な笑顔に、乃里子は俯き気味に頷いた。


白石乃里子(しらいしのりこ)


白石学園の白石理事の娘。


二歳上の兄は生徒会長を務めている。


「でも乃里子ちゃんって親しみやすくて良いよね♪」


「うんうん♪
理事長の娘っていうからさぁ…
ちょっと嫌味なお嬢様を想像しちゃったもん。」


クラスメイトが乃里子に抱いた第一印象は消え去ったが、乃里子はクラスメイトから愛される存在だった。


「まぁこれで乃里子まで美少女だったら、逆に出来すぎて嫌だよね♪」


未来が言うと、クラス中に楽しそうな笑い声が響いた。


「乃里子は優しいし、勉強出来るし、面白いし♪
これ以上与えたら、性格悪くなっちゃうでしょ!?」


「「確かに!!」」


さらに大きな笑い声が響いた。