剛志は学園唯一の問題児として有名だった。


喧嘩は日常茶飯事、口も悪いし態度もでかい。


学園内のみならず、他校にも名の知れた不良。


その上、授業はさぼるくせに、テストでは常に上位。


生徒はおろか教師でさえ下手に手出しできないヤンチャぶり。


剛志の相手は出来ないと、歴代の担任はさじを投げたほどだった。


なのに、顔は性格に似合わないほどのイケメン。


ギャップが好きという少し外れたお嬢様達から、絶大な人気を誇っている。


剛志本人が望まなくても、校内にいれば女子から騒がれ、陽太以外の男子からは恐れられる。


剛志にとって学園生活は不愉快極まりなかった。


「別に学校なんて必要ないだろう?」


一緒に暮らしている祖父に何度も言ったが、祖父は相手にもしてくれない。


「剛志、学校とは勉強するためだけにあるんじゃないぞ?」


「じゃ何のためにあるんだよ?」


「それは自分で探すんじゃ。」


陽気に答える祖父に、何度ため息をついたことか。