結局剛志はその子のコンタクト探しを手伝うはめになった。


しばらく床を触っているたが、見つかる気配はない。


「本当に落としたのか？
目の隅に入ってるとか、制服についてるとかないのか？」


剛志が言うと、女子生徒はパタパタと自分の制服を見た。


「付いていません…
あっ、あなたの制服も見ていいですか？」


そういうと女子生徒は、剛志の胸倉を掴んで座らせてから顔を近づけた。


「…あった！」


剛志が茫然とされるがままになっていると、剛志の胸元あたりに付いていたコンタクトを女子生徒が嬉しそうに指に付けた。


「俺の体についていたのか…」


剛志が軽くため息をついている間に、女子生徒はコンタクトをはめた。


「お騒がせしました。」


頭を下げた女子生徒は、今まで剛志が見たことない女子だった。


そのまま走り去る後ろ姿に妙な感覚を覚えたが、剛志はそのまま一人になれる場所を探すために歩きだした。