「ちょっと剛志?
こんなのダメよ、書き直しなさい。」


乃里子は皺くちゃになった紙を、剛志の目の前に突き出した。


「はぁ?
別に良いだろ?」


剛志は面倒臭そうに、ソファーに寝転んだ。


文化祭の翌日、放課後の新聞部の部室。


「良くないの!
仕方ないなぁ…
私が貰って来るから。」


乃里子は呆れたようにため息をついた。


「乃里子、大丈夫だよ!
こんなこともあろうかと、多めに貰ってきたから♪」


「ありがとう。
さすが未来ね♪」


乃里子が微笑むと、未来は自慢気な笑顔を浮かべた。


「あぁ−!!
書き間違えた!!」


陽太は間違えた紙を丸めると、ごみ箱に向かって軽く投げた。