「乃里子ちゃんって新聞部だったよね?」


可愛らしい笑顔で首を傾げる、彼女の名は羽瀬麻里(はせまり)


学園一の可愛らしさで人気があるが、女子はあまり近付きたがらない。


入学してから二ヶ月で、数えきれない程の男子から告白されたというから凄い。


「うん…所属人数は一人だけど。」


「何か情報掴んでないの?
私も会いたいなぁ♪」


麻里が可愛らしく微笑むと、男子がわざとらしく奇声を上げた。


「乃里子だけじゃ大変だよなぁ?
未来手伝ってやれば?」


爽やかな笑顔でさらりと女子を呼び捨てにする、彼の名前は飯塚陽太(いいづかようた)


無邪気と言うか、天然と言うか、掴みきれない男の子。


「あぁダメダメ。
私は文化系無理!」


バレー部一筋の未来は、力一杯首を振った。


「って言うか陽太がやりなよ♪
陽太って帰宅部じゃん?」


未来が言うと、麻里もそうだねと微笑む。


「…俺は忙しいの!!
まぁ乃里子は理事長の娘だし?
会長の妹なんだからさぁ?
『放課後姫』の正体もすぐに分かるよなぁ?」