陽太は黙ったまま剛志が出て行った扉を見つめた。


「俺は…剛志の親友だし、剛志の味方だよ。
だから剛志の気持ちに味方したい。
たとえそれが…
乃里子を傷付ける事になっても。」


「陽太!?」


驚いて抗議しようとした未来を制して、陽太は剛志を見つめた。


「でも俺、肝心の剛志の気持ち聞いてないんだよ。
だから、どう味方すればいいのか分からないんだ…」


陽太の言葉に、未来は伏せていた視線を陽太に向けた。


「?」


「でも…
あの様子を見る限り、俺が心配することないかなぁ…」


未来は首を傾げた。


「あの二人にBADENDは似合わないって事だな♪」


陽太が笑うと、未来も笑顔を見せた。


陽太は未来を抱き寄せ、とっくに見えなくなった剛志の背中を見つめるように、優しい視線を遠くに向けた。