「ただいま帰りました。」


乃里子はモカ色の髪を揺らしながらリビングに現れた。


「おかえりなさい、乃里子さん。」


「おかえり、乃里子♪」


華乃子と澪は笑顔で乃里子を迎えた。


「澪さんがいらしているって聞いて、急いで帰ってきたんです♪」


乃里子は嬉しそうに微笑んだ。


「乃里子は本当に澪さんが好きだな?」


「もちろんよ、お兄様♪
あっ、お兄様も一度澪さんに勉強を見て頂いたら?
本当に楽しいのよ?」


乃里子が言うと、隆晶は優しく微笑んだ。


「だめよ、だめだめ!
家庭教師が出来るのは小学生相手だけよ!?
それ以降は臣の管轄だわ?」


澪が慌てて言うと、乃里子達は楽しそうに笑った。


「澪さん、お部屋に来てください♪
たまには勉強を見てくださらないと。」


「分かったわ、少しだけね?」


乃里子は澪の手を掴んで微笑んだ。


隆晶も華乃子も優しい微笑みを浮かべながら、二人を見送った。