「旅にでも出ようかしら…」


ふぅとため息をつきながら、梓は退屈そうに呟いた。


「…はぁ?」


カウンターで本を読んでいた剛志は、怪訝そうに梓を見つめた。


「えー?
どこ行くんですか?」


剛志の隣で雑誌を読んでいた乃里子は、興味津々で身を乗り出した。


「乃里子ちゃんも行きたい!?
じゃあ一緒に行こうか♪」


梓は楽しそうに笑った。


「で、どこ行くの?」


乃里子が首を傾げると、梓はうーんと唸った。


「どこか良い所知らない?」


梓の言葉に、乃里子と剛志は苦笑いを浮かべた。


「はぁ…」


梓は頬杖をつきながら、退屈そうにため息をついた。