「驚いたでしょ？
学園での麻里と、今の麻里の違いに。」


乃里子は苦笑いを浮かべた。


「あぁ…正直驚いた。」


「それはそうよね…
初めて麻里と会ったのは、小学生の頃だったかな？
麻里もね、小学生で浮いてて…軽いイジメにもあってたみたい。
だから、その頃の麻里はすごく静かで、本当に大人しい子だったのよ？」


乃里子が笑うと、剛志は疑うような視線を向けながら笑った。


「なんだか放っておけなくて…
麻里に中学からは白石学園に入学するように薦めたの。
私は姿が違うし、学園内では親しくしてあげられないけど…それでも麻里の側にいてあげたくて。」


「ふーん…」


「麻里にもそれが分かったみたい。
だから麻里は明るく振る舞って、私に心配をかけないようにしているらしいのよ。」


「…だから異常な懐き方だったんだな。」


剛志が言うと、乃里子はそうねと楽しそうに笑った。