妙子に案内され、乃里子と剛志は麻里の部屋の前に移動した。


妙子は二人にお辞儀をすると、もと来た廊下を戻って行った。


「…ってか俺まで良いのかよ?」


「大丈夫なんじゃない?」


乃里子はケロッと言った。


「…なんじゃないって…」


剛志がため息をつくと同時に、乃里子が思い切り扉をノックした。


「麻里、開けなさい!
わざわざ来てあげたのよ!?」


「!?
お、おい…」


剛志は驚いて乃里子を見つめた。


ガチャッ


鍵を外した音がして、ゆっくり扉が開いた。


「乃里子ぉ…」


部屋の中から情けない声が聞こえて来る。


「…話を聞いてあげる。」


乃里子がため息混じりに言うと、扉が思い切り開いて麻里は乃里子に飛び付いた。